灼熱vs大知親子 2013.8 

フリーマガジン チヌパラ創刊号 2013年9月発行に掲載

例年より暑さの激しい今年。しかも8月11日、最も暑い灼熱の日に、関門は、新門司の一文字で大知昭、大知正人親子が、九州のチヌに相対した。

同日は、トーナメントチームアクアと、妹ちゃんダンゴで有名な妹塚荘輔名人のクラブとの親睦釣り大会が行われたのだ。激暑にもかかわらず参加者は20名を超え30名近かった。渡船の関係でこれでも絞りに絞った人数だった。

参加者全員が防波堤に到着し、妹塚、大知昭両名人の挨拶。大知昭黒鯛塾塾長・大知昭名人は「こうやって、新しい出会いがある事が一番嬉しい。聞かれたことはなんでも答えるから遠慮なく質問して下さい。」と出会いを喜んだ。

渡船が防波堤の先端につけられた事もあり、その周辺に皆、固まっていたが、釣果は思わしくない。開始から7時過ぎでチヌを手にしたのは、ほんの1~2名だ。エサさえ盗られないチヌ師がほとんどだ。終了は暑さを考慮して11時、もう時間は僅かだ。

その時、大知昭が動いた。

★600メートルを大移動★
「ポイントを変えよう。一番向こうまで行こう。」新門司一文字は全長約600m以上。誰ひとりポイント移動をしない中、アグレッシブに移動する。チヌを釣る執念は誰にも負けない。

到着後、すぐに釣りを開始する大知昭塾長。このタフネスさが別格だ。外海面を攻めるがスナメリが邪魔をする。数投で見切りをつけ、陸側を攻める。潮の流れも変わっていた。

編集長「こういう『難しい状況』というのは、大知塾長にとって『楽しい』ものですか?」と質問をぶつける。
大知塾長「今日なんかキツイよ!結果は出したいし。釣れない時は時間がたつのが速い。」

特にこの日は、オキアミの高騰に対応する提案をすべく、集魚剤のみのマキエサに、サシ餌は練り餌のみでのチャレンジだった。できるだけ潮が動かない所へ、マキエサを貯めて釣る作戦をとっていた。しかし、集魚剤だけでもこの時期なら20分もあればマキエサは効くという。

コンセントレーションを高める。僅かな変化、糸の動きを見逃さない。

「アタリが出た。魚が動いている」と話した、まさにその瞬間ラインが走る。

「外れんかったらラッキーやな~」 と言いながらも超余裕のやり取り。つ45秒のやりとりで、あっという間にタモに納め、九州のチヌに満面の笑顔で挨拶をした、大知昭塾長だった。

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大知正人驚異の集中力

大知昭塾長「とりあえず1匹釣れたから、他に釣って無い奴に釣らせたいから、向こうにいる奴に電話して、来たい人には来てもらいんさい。」

と、言う事で数名の人にTEL。こちらのほうが釣れそうだという旨を伝えるが、600メートルを重いチヌフカセの道具を抱えて、やってくるチヌ師はいるだろうか?と思っていたら、遥か遠方にゆっくりゆっくりだが、近寄ってくるチヌ師の影が見えた。
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荷物を運ぶのを手伝おうと、急いで駆け寄ってみると影の主は、チヌ釣り最強DNA継承者・大知正人OKJ副塾長であった。

正人副塾長は「バッカンは自分で運ぶので竿お願いします。」と気を使い、とても謙虚。それでは、何のために駆け付けたか分からないので(笑)、バッカンの取っ手を片方ずつ持って運ばせていただいた。1人なら重い荷物も2人で持つと軽いものだ。

到着したら、すぐさま高いコンセントレーションで釣りを開始する大知正人副塾長。昭塾長よりアドバイスをもらいながらも、ライトゲームで培ったラインコントロールを駆使して、独自の釣りを展開している。根がかりを恐れず、捨石周りをかなりタイトに探っていくやり方は、彼の真骨頂だろう。
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到着して、ものの数分でヒット。ふとみると、昭塾長がタモを持ってスタンバイしている。

大知昭塾長「いい絵が撮れるやろ~。なかなかないシーンやで~。おうおう、頑張れチヌ!」とご機嫌。

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この後、正人副塾長は連発に次ぐ連発、昭塾長はレジャーフィッシング誌の若い記者さんにチヌ釣りを教え、見事、初チヌをゲットさせた。2人の集中力は納竿時間まで衰えることはなかった。

このタフさこそが大知親子の抜群の強さでもある。

この時の釣りも収録されている
dvd大知昭黒鯛塾 直伝は コチラ
大知昭黒鯛塾 直伝y30