黒鯛心悸TAKE8 シマノジャパンカップ 2013 クロダイ決勝大会

黒鯛心悸TAKE8
シマノジャパンカップ 2013
クロダイ決勝大会

皆様こんにちは。2013年4月20日、21日大分で開催されたシマノジャパンカップクロダイ決勝の模様を報告させて頂きます。

私にとっては初の大舞台。
大会前

多くの方々から激励、協力、情報を頂いて期待と闘志を胸に参加し、2日間を通して燃え尽きたと言えるぐらいの全力投球をさせて頂きました。っが、チヌの活性自体がかなり低く、個体数も少な目なようで、結果的には対戦者共にノーフィッシュという、ちょっと煮え切れない結果になってしまいました。

ただ、3試合(9時間)あったわけで、必ずどこかでチャンスは有ったはずです。そのチャンスに気づかなかったのか、対応が悪かったのか、上位を狙うにはまだまだ自分の腕では足りないと痛感した次第です。これが、この大会を通して得たとても大きな物だと思っております。

終わってしまった大会ですが、やり残したことが多くあります。さらに腕を磨いてまたどこかの予選から勝ち上がって、夢の舞台で、表彰台に上がりたいと心から願うのであります。

大会前日
大会開催日よりも1日早く現地入りしてプラクティスを行いました。大会参加者である気心知れたメンバー、お馴染みの大知昭黒鯛塾の副会長の大知正人名人、広島支局長の猿屋茂雄さん、所属チームの山戸さんと江田君の5人で出発です。
この日は、フェリーで大入島に入り、数時間だけ竿出ししましたが全員ノーフィッシュ。厳しいことだけは分かったので、翌日に備えて早めの納竿です。夜は、居酒屋で九州から参加の上西さんや、関東から参加の赤峰さん達交え、7人で情報交換を行いました。

山口県勢

釣り仲間というものは面白いですね。職業も生まれも違うのに初対面でも話が合い、翌日には、対戦相手になるかもしれないのに互いに持っている情報や感じたことを出しあい、またたとえ対戦相手でも有事が有った時は、互いに助け合う仲間ですよね。こういう関係は他の競技・スポーツではなかなか無いような気がします。

試合前
朝5時に佐伯港を本部会場とし、参加選手全国28名が続々と集まります。早速、緊張感漂う中抽選が行われ、すぐに撒き餌作りです。タイトスケジュールの為、息つく暇も無いほどバタバタと準備です。20分で36センチバッカンに2試合分の撒き餌を練りこまないといけません。撒き餌の内容ですが、餌取り少なく、チヌの活性が低いため、思いつく限り集魚力高めの内容で挑みました。また、視覚効果も高めたいため、なるべく煙幕を強くし白ベースになるように心がけました。
1試合分の内容です。全て信頼のマルキュー(社)、チヌパワーシリーズの、ベースのムギ、底に溜めるダッシュ、煙幕と集魚の白・遠投G、集魚の白SP、メガ、を全て半分量に、オキアミ1角、液体集魚のチヌにはこれだ、アミドリップに、冷凍集魚の粗挽サナギを1枚。ツケエは、喰わせオキアミ、スーパーハード、ボイル、特選ムキミ、喰わせダンゴの赤、白の6種類。悩みに悩んだ集魚材の選択ですが、この内容は、オールラウンドで最高集魚だと今でも思っています(笑)オキアミは配布ですので、粉集魚材のみ3試合分と、決勝に残った時用で、4セット事前に持ち込みました。
1試合(大入島・石間の一文字西 7:30~10:30)

▼釣り場は石間の一文字にて、対戦者は2年連続全国出場者の沖縄の渡嘉敷正輝選手です。

前日も釣り場で挨拶し、フェイスブックを通じて知り合っていたOKJのメンバーの方だったので、緊張感が和らぎ気持ち的には少し楽になりました。

番号が若いので、優先権は私にありました。海の状況は、外海側は濁りが強く、少し水潮っぽい感じで、湾内の島向きは、ほとんど流れなく色も悪くなく、なにより朝マズメでしたので、内側の島向きの釣り座を選びました。

仕掛けは、竿を新作のアートレータの06号を使い、いつも通りの大知ウキ00号に、―G5のアタリフカセ、道糸は1.5号、ハリスも1.5号針は、金龍のSSチヌ1号と勝負グレの5号で、口おもりにG6~G3のジンタンを使い位置を変えながら、ツケエの沈下速度と角度を調整していきました。大型に備えてハリスのみ少し太くした感じです。

一文字の形状ですが、足元はスリット形状で、竿1本まで捨石が入っているようです。手前は7m沖目で9mぐらいの水深です。状況ですが、活性は良くなく、チヌがいてもスリットや捨石からはあまり離れないと判断しました。

前半戦、少しでも離すとツケエは原型で戻ってくるので、ほぼ足元メインに組み立てていましたが、渡嘉敷選手が、当て潮の為少し沖目を狙われていたので、沖で先制されても良いように、撒き餌のみは少し沖にも保険として撒いておくような感じでした。
ツケエは、スリットの側でないと取られないようで、オキアミだとたまにベラとカサゴ、ムキミやダンゴだと足裏大のヒガンフグが掛かります。ヒガンフグはチヌと活性具合が一緒と聞きますので、当たるアタリは全てチヌと思い、穂先に集中しますが本命を拾えず交代時間になりました。

後半戦、外海側ですが、相変わらずの斜めから当たる当て潮です。渡嘉敷選手が狙われた場所よりも、10mほど潮下に釣り座を構えます。渡嘉敷選手の撒き餌の量は自分より多く山盛りで、私よりもハイペースで撒かれていたので、更に上から私が撒くとポイントが潰れる?のと、潮下なら、渡嘉敷選手の撒いた撒き餌を利用出来る為です。

捨石の際をメインに横のラインを探りながら、狙いますがたまにカサゴが釣れるのみで、湾内より魚の活性はやはり厳しい感じでした。すると開始30分当て潮から横流れになり、アジが当たり始めました。アジといっても35cmを軽く超すような良型のアジ。試合でなければ、すぐに捕獲対象になるのですが、泣く泣く母なる海に帰って頂きました(笑)

ここで少し活性が上がったと判断。捨石周りでもベラやフグが釣れ始め、水潮だった色も、青っぽく回復し、少し離すと小鯛まで釣れ、この時が最大のチャンスだと思いました。すでに1枚釣れば勝負が決まると思っていましたので、いろいろ試しながらなんとか1匹拾ってやろうと思いましたが駄目でしたね。

渡嘉敷選手と共にノーフィッシュだった為、お互いに1ポイント手にして次頑張ろうと健闘を祈り合いました。

港に戻り、1試合目の検量です。28名中6カ所(7名)に釣果が有ったみたいです。強者揃いの大会ですが、やはり決してよい状況ではないことが伺えます。そのあとお昼ですが、かなり豪華な弁当が支給され、とても15分で食べる内容では無かったです(笑)全力出した後の、美味しい弁当は痺れるほど旨いですね♪
2試合(村バエ西 12:40~15:40)
▼大入島に北の沖にある特Aポイントの村バエです。
全体的に浅い感じですが、ホンダワラが群生しており、いかにもチヌ釣り場って感じです。
釣り座は2カ所で、右は足元近くから落ち込んでいて水深があり、左は20m沖までホンダワラが生えてその沖から落ち込んでいる瀬戸内の釣り場のような感じです。ちなみに1試合目も使われたようで、2枚ほど釣果が有り、2枚とも左の釣り座からみたいです。
小笠原選手

対戦者は、来年の全国切符をすでに予選で取得している瀬戸内でも有名な小笠原選手と対戦です。ここでも釣り座の優先権は私に有りました。そして決勝戦に上がるには必ずこの試合で勝たないといけません。

本来、本命の左から入るのが正解なのかもしれませんが、悩んだあげく私は右側を選びました。浅いからなのか結構潮が動いている感じで右側が潮下。また潮変りが後半の途中に訪れる。潮変りなど変化がある時が、一番気温が高いであろう時間帯。デメリットは、撒き餌が入りすぎてポイントが潰れる。釣り座の選択する数秒で、頭の中で考えた結果が右側でした。

開始直前から、大粒の雨が降り出しました。最初、足元近くから落ち込んでいるカケアガリ付近を狙いますが、10投連続ベラの猛攻。そこから少しずつ離し、ツケエをローテーションしながら餌が残る場所を探っていきます。ただ、撒き餌が入り、気温も上昇したからなのか、餌取りの活性が高く、苦戦を強いられます。

小笠原選手も、藻の際を徹底的に攻められているようでしたが、やはり餌取りの活性が高く同じく苦戦されています。ある程度、探ってからは、小笠原さんが狙われているポイントの潮下にポイントを定めチヌが来れば餌取りは散ると信じて、我慢の釣りをしましたがタイムアップ。

後半戦、トータル4時間半全力で撒き餌が入っていて、餌取りの活性もかなり高く、チヌは動くと判断しました。小笠原選手が徹底して際を狙われていたので、早い段階で、藻際は見切りをつけて、徐々に離していく方法をとりました。この1時間半で釣って尚且つ勝たないと決勝への道は閉ざされます。ここで、1.5号のハリスを落として1.2号。この時はとにかく遠投して、縦のラインに撒き餌を撒きながら、撒き餌の帯の中、外、底をゆっくりズル引く感じで攻めました。ツケエを変えながらのアプローチでしたが、釣れるのはベラとカサゴで、なかなかチヌらしき反応が無いまま1時間経過。

残り30分ぐらいしか残されていませんが、ちょうど潮変りで結構速く流れていた潮も緩み変化が現れ、唯一攻めてない藻の隙間、15mぐらいの先のホンダワラに隙間があったので、とりあえず数等仕掛け入れてやろうと、安易で投げた1投、ツケエがホンダワラの間をかなり良い感じで入っていくのが見えたのですが、道糸が手前の藻に絡んでしまい、投げなおそうか?迷った瞬間でした。

「ズドッーン!!」

チヌと思われるアタリが有り、竿の胴から一気に持っていかれ、完全に藻の外に抜けて沖に逃げようとしているのですが、道糸が藻に絡んだ状態です。何とか走りを止めて、藻抜きを始めたのですが、ウキよりも上で藻が絡んでいて、どうしても抜けません。「30分かけて獲ることに専念するか?切るか?」悩んだ挙句、早い段階で切りました。この選択が正しかったのか分かりませんが、道糸が完全に巻いてしまっていた以上、時間の無駄だとその時は思いましたね。

ただバラシのショックが意外に結構なもので、仕掛け作り直しからアタフタし、残りの時間も自分の釣りが出来なかったような気がします。

未熟さを実感しながらも、試合終了後、審判の方から、「後ろの高台から見ていましたが、チヌは藻の中に居るのが見えていましたよ~。」この辺も、自分の観察力、判断が足りてないことが、身を持って実感しました。

港に戻って、他の選手の釣果が気になるとこですが、やはり1試合目同様、ほとんどの釣果が無く厳しい中、 大知正人副塾長が流石の4匹で7キロ台の釣果を叩き出していました。「試合残り30分頃、海の変化を感じ取って餌取りの途切れるところまでダンゴで遠投して、バタバタと釣った。」とのことです。

懇親会
試合終了後、ホテルに戻り懇親会が開催されます。親睦を目的としたジャパンカップ好例の宴会です。
佐伯市は、山の物、海の物共に豊富豊かな町で、出てくる料理は、舌を巻く美味しい料理ばかりが並び、左の席は大知昭黒鯛塾讃岐支局長の櫃本さん、右の席は大知正人副塾長です(笑)どれだけ盛り上がったかは、ご想像通りですね(爆)

また、宴会途中に、出場者それぞれの自己紹介があり、大いに盛り上がりました。実は、翌日の3試合目は、大知正人名人と対戦することになっていまして、その意気込みを伝えさせて頂きました(笑)

3試合目(白灯台 5:30から8:30)
▼3時に起床して、3時半には会場に集合、昨日と同じ撒き餌内容で、1試合分の撒き餌を練ってすぐに乗船です。
港出てすぐになる切れ波止で、報道陣、カメラが多数。他の2試合とは違った緊張感に包まれていました。ただ、物凄い強風でして、予報でも軽く10mを超えていました。そんな中、3試合目の対戦者は、大知正人副塾長です。

私には、決勝に行く権利はすでに消滅していますが、私にとっては本当に記念なる対戦です。昨年、徳山の予選を抜けてから、約11ケ月、最も一緒に竿出した仲ですし、同じチーム、大知昭黒鯛塾のメンバーであり、目標とする方であり、同じ県民、歳も1つ違い、毎週のように電話でやり取りし情報交換。

私の中で、かなり影響力の強い大知正人さんです。お互い、どんな釣りするかも知っているし、どんな撒き餌を撒くのかも知っています(笑)ちょっと、気持ち的に複雑な部分も有るのですが、今までお世話になった分、感謝の意を込めて、全力で対戦させて頂きましたね。

大知正人副塾長は私に勝てば、ほぼ決勝への進出が決まります。

私も全力で戦いますが、カメラが入っているし、見た感じ障害物はそこまで多くなさそうでしたので、竿はアートレータの04号に変えて、もしチヌが掛かれば綺麗な曲りを撮ってもらいたいと、色気づいてみました(爆)

正人さんに優先権があり、波止の先端付近に釣り座を構え、私はどこに入ろうか迷いましたが、変化が乏しい波止でしたので、への字付近の湾内側に釣り座を構えました。理由は、まだ外海から湾に向かって、潮が入っていました。昨日の夜から、朝までかなりの雨が降っていましたので、下げに入ると水潮が強くなり、厳しくなると判断して、満の潮が残っている間に湾内側を攻めておこうとの判断でした。

開始早々から、ツケエが原型で残ってきており、餌取りの反応はかなり弱く、角にどうやら沈み瀬らしき障害物があるようなのですが、魚がついているような気配が無く、遠投しても駄目、への字の角から抜ける薄い潮目が出来ていたのですがその中も駄目、時間だけが進む厳しい状態でした。

正人さんの方は、ちょくちょく餌取りを釣っているようでしたので、一度竿を置き、外海含め海を調査、そこでやっと気づいたのが、まだ外海の方が水潮になっておらず、小魚も泳いでいるのが見えます。また、への字に角の外側は、少し掘れているような感じで、状態が一番良さそう。予想以上に、内側湾内は水潮の影響が響いていたようで、まだ開始直後、夜が明けきれてない中で見落としていたようです。

躊躇なく外海側に移動。すぐに魚の反応があり、餌取りは、ベラとスズメ鯛でやはり外海の方が、魚が動いていました。30分全力で攻めましたが、交代の時間があっという間に来てしまいました。

後半戦、私は正人さんが入られた先端の場所から、数mほど外側のへの字よりに釣り座を構え、大知正人名人は私が後から入った、への字の外海に入られましたね。これってなんだか嬉しいですよね?無機質な波止の中で自分の選択が間違っていなかったことを意味するので(笑)

さて、自分の方ですが、時間が経つにつれてやはり湾内から水潮が流れ出ており、その影響がなるべく薄いところを攻めていくようなイメージで、潮も下がってきていたので、基本的には足元の捨石は捨てて、とにかく遠投して沖の深みを狙う作戦でした。撒き餌のリズムは崩さずに、大きめのオキアミで、時間をかけて底を転がすようにして待ちの釣り。ツケエを見つけて、喰ってくれ!と祈りながら、釣っていましたが結構ノーフィッシュ。

正人2

正人さんも釣れず、引き分けで終わってしまいましたが、私にとって、この3時間はとても幸せで特別な時間だったと思います。大知正人さんは全力で戦ってまいたし、胸借りるつもりで、全力でぶつかりました。
港に戻り、他の選手の釣果を聞きますが、やはり3試合した中で一番魚が釣れておらず、厳しい試合となりました。つくづく雨の影響って凄いことを実感しましたね。

決勝(大入島・タカサゴバエ 10:10から12:10)
決勝戦は、共に2勝引き分けで勝ち上がった、シードの村岡選手に、沖縄の神谷選手。

決勝 神谷 決勝 村岡

ジャパンカップ2年連続で3位だった村岡選手が勝つのか?

成長著しい沖縄勢代表の神谷選手が勝つのか?大注目です。選手全員、役員、報道陣が見守る中、すごい緊張感の中でしたがやはり雨の影響だったのか、なかなか魚の反応が鈍くベラがたまに釣れるのみで状況は厳しく両者ノーフィッシュで終了。

結果、予選の結果から、優勝は沖縄の神谷選手、準優勝は、村岡選手。そして3位は、大知昭黒鯛塾 讃岐丸亀支局長であり、懇親会でも隣席だった櫃本選手が入りました。4位は大知正人副塾長です。

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他、入賞された選手の皆様、本当におめでとうございました。そして出場された選手の皆様。本当にお疲れ様でした。この素晴らしい舞台を用意して頂いたシマノ関係者、役員の皆様につきましては大変お世話になりましたことを深く感謝致します。また、来年度の予選もまだまだ残っております。

是非皆様、予選に参加して頂き、夢の切符を取って、夢の2日間を体験して頂けたらと思います。私もまたこの舞台に舞い戻れるように頑張ります!

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