黒鯛心悸TAKE7 シマノジャパンカップ九州予選 (長崎・南九十九島)

広島スタートライン2013.4掲載

こんにちは、皆様がお住まい周辺の桜はもう散りましたか?桜が散るのを見て何となく寂しいと思うのは、わびさびの感覚だと思っています。 桜の散る姿、寂しいですがとても美しいですね。チヌ釣り師にとって桜は、もうひとつの意味があって、桜=ノッコミでもあります。3月に入り桜が咲き始めたと同時に、九州方面ではチラチラとチヌのノッコミ情報が入り込んできました。

この調子だと瀬戸内は4月上旬あたりからが本格的なノッコミに入るあたりでしょうか?昔、瀬戸内に通うまでは、冬場水温が安定しやすい瀬戸内だからノッコミも早いと思っていたのですが、実際には九州と比べて1か月ぐらい遅いですね。このことを師匠の大知昭さんに尋ねたら、「九州と違って雪解け水が河口から流れ込み、水温の上昇を妨げるからじゃ」との返答を頂いたことがあります。ずっと九州にいた私にとってちょっと意外な原因だったのでビックリした記憶がありますが、九州のチヌ釣り師は『桜=ノッコミ開始』、瀬戸内のチヌ釣り師は『桜=間もなくノッコミ』、というイメージではないでしょうか?

皆さんどうですか?

更に、競技等に参加されるチヌ釣り師は、ノッコミとは別に、毎年開催される各メーカーの予選が開始される時期でもあります。私は、トーナメンターとしては今年で3年目を迎えます。去年、5月のシマノジャパンカップ徳山予選で運よく全国大会の切符を手に入れることができました。その全国大会が4月中旬に控えていますが、更に来年の全国大会の切符を手に入れたいと、3月から始まった予選会に参加してまいりました。

会場は、シマノジャパンカップ九州予選、場所は、長崎の南九十九島です。事前情報では、近年にない好調とのことで、大きな期待を抱いて参加しました。今回は、黒鯛心悸でも再々登場して頂いている、本誌でもお馴染みの大知昭黒鯛塾の副塾長の大知正人名人と、今年一緒に全国に挑む江田君、塾生メンバー3人に、私の友人の有本さん合わせて7人での参加です。また、九州の黒鯛塾生もかなりの人数が参加されたようで、参加者は、130人を超えており、これも近年にない参加者人数となり大盛り上がりとなりました。ちなみに九十九島は国立公園に指定されていまして、九十九島と言いつつも、実際には208ほどの島が健在しており、その綺麗な島々を縫うようにめぐる遊覧船は大変お勧めです。近辺には佐世保市街、ハウステンボスなどもあり家族で楽しむには持ってこいの場所ですね。

さて、大会のほうですが、参加者が湾内と沖磯に分かれて争います。私は、沖磯の白瀬灯台の平瀬という場所に3名で上がることになりました。

7-1

事前情報での好調は、ほとんどが湾内の釣果で、沖磯はやってみないと分からないとのことです。 海の状況は、前日の雨の影響なのか、物凄く澄潮で、水温が低い感じでした。優先権がある方は、平瀬の本命ポイントの一番西側にはいり、全体的に東西に伸びる白瀬灯台は、潮の動く北側が本命のようですが、浅い感じがあったので、2番目に優先権のある私は、南側の水深がありそうな釣り座に入りました。

沖は、島を回り込んだ潮が動いていますが、足元はほとんど動かない溜まり潮。底は岩礁帯のようで、多少ホンダワラ(海藻)が生えている感じです。ところどころに砂地の場所があるようだったのでイメージ的には、ゆっくり仕掛けを入れ込んで、岩や藻の間に隠れているチヌをその砂地まで、撒き餌で寄せて釣るという感じでした。

撒き餌の内容は、マルキュー社の、チヌパワーシリーズのダッシュ、ムギ、白、メガミックス、白SPの5袋の沖アミを2角、付け餌は、同社の喰わせオキアミ、スーパーハード、食わせダンゴの赤と白の4種類。事前情報では餌取りが少ないとのことなので、集魚力効果は高めで、6時間の釣りでは、多少量の多い撒き餌内容ですが、どんな状況でも対応出来るように念のため普段よりも多めに持参します。まず足元の白く見えている砂地から攻めますが、フグの活性が少し高いようで、針ごと切られることが連続して続いたので、徐々に離していくようにしました。ある程度離すと、ツケエが原型のまま戻ってくるので、フグは沖までは出ないようです。しかし、少しでも潮が動き、黒色の岩礁帯エリアにツケエが入ると、必ずと言っていいほどカサゴが釣れ、待ちの釣りを強いられます。そんな中、一番西側に入られた方が、潮が動き出したと同時に、立て続けに本命を2枚ゲットされました。白瀬灯台には、15~16名の選手が渡礁していますが、全体的に厳しく、時間だけが過ぎていきます。結局、前半の3時間内では、本命を釣ることが出来ませんでした(涙)

残り後半の3時間、3人で上がっていますので、ジャンケンして、勝った人から好きな釣り座(前半に入った場所以外)に入ることにしました。結果、私が一番勝ちになりましたので、例外なく、前半に釣れた一番西側に入ります。何としてでも、残りの3時間で釣り上げないといけません。前半釣り上げられた方は、足元の藻際を狙われていたので、同じ場所を狙いまが、交替してすぐに潮が下げに入り、期待とは裏腹に更に澄潮になってしまい、水深が13mぐらいあるのですが、完全に底が分かるぐらいの透明度になってしまいました。

あまりの透明度に感心していたのですが、さすがにこのままだと不味いので、足元から切り替えて、徐々にまた離しつつ、根掛かりしない場所を探りながら、本命を狙います。前半とあまり状況が変わらず、釣れるのはカサゴのみ。っというよりも、更にカサゴの活性が上がったのか、オキアミでも、ダンゴでも、ほぼ一投一尾ぐらいのペースになっていきました。おそらく一年分ぐらいのカサゴを二時間ぐらいで釣り上げたでしょうか?(笑)

この状況からの打開策が全く打ち出せないままタイムアップ。今年初の予選は、まさかの本命のチヌを釣ることなく、ボーズで終わってしまいました。白瀬灯台全体的には、おそらく三名の方が釣られたようで厳しかったのですが、決して本命が居ないわけではなく、自分の腕が未熟で釣りきれなかった感のほうが正直大きいですね。本音というか野望は、全国前にこの九州予選で来年の切符を取って、楽に全国大会を迎えようと大きな慾を抱いていたのですが、見事に散ってしましました(爆)

港に戻って、仲間の釣果が気になりますが、沖磯に上がった選手は、かなり厳しかったようです。正人さんですら釣果が悪かったので、どれぐらい厳しかったのかがお分かり頂けると思います。

4~5枚で6~7キロという選手が多く混戦のようでしたが、優勝された方は、ダントツの5枚で10キロ越えの釣果でした。湾の奥の方で、オキアミメインで釣られたそうです。

事前情報通り、湾内に上がった選手は多くの方が好釣果。江田君も年無し含む4枚、塾生メンバーもかなりの釣果です。

年無しをゲットした江田君
年無しをゲットした江田君

そんな中、友人の有本さんが、唯一沖磯で5枚を揃えています。その有本さんは準優勝で、ガニ瀬という場所で、遠投のダンゴ(柔らかい)メインで釣られたそうです。全体的にはオキアミメインの方が多く、底で誘いを掛けながら釣られてようですね。来年の為に、参考にして頂けたらと思います。

是非、多くの方々に大会に参加して頂きたいと私は思っています。初心者の方でも、興味があるのなら是非参加して頂きたいです。大会は、競技を目的としたイベントですので、確かに名人と言われる方や、雑誌等の紙面に出てくる方々も多く参加しますが、釣り場、釣果ともの運要素がかなり影響しますので、参加された方漏れなく誰にでもチャンスがあります。

運試しと思って気張らず普段通りに釣りをしてもらえたらと思います。大会に参加することによって、普段とは違う緊張感も味わえますし、自分が好きなように目標を決め、またいくらでも増やすことが出来ます。さらに私みたいに変な慾をかくことも出来ます(笑)大会を通じて仲間を増やすことも多くあります。まだ大会に参加されたことがない読者の方に、大会の素晴らしさ、面白さを体験して頂けたらと切に願っております。

勝ち上がった有本君をかこんで仲間と記念写真!
勝ち上がった有本君をかこんで仲間と記念写真!

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